帰国後の生活
(5/1にフランス人ご夫妻から届いたmuguetの写真...お庭のスズランだそう。可憐~)
帰国直後は、やるべきことがたくさんあって、休むまもなく動き回っていました。
まずは、7か月もの間、ミク(=^・・^=)を預かってくれていた友人夫婦が、元気なミクを届けてくれました。お二人がいなかったら、今回の留学も、実現が難しかった。何よりも感謝です。
久々の我が家で 。
バタバタしながらも、同時に、日本の良さを 日常の中で改めて感じました。
食生活のバランスの良さ。スーパーの品揃えのすごさ。デパートやコンビニの行き届いたサービス。
フランスでは 「闘う」日々でしたが、日本は「快適」です(^^;)
新緑の清々しさとあいまって、帰ってきて良かったぁ~ と思う反面、
フランスで得たものを 簡単に忘れてしまうわけにはいかない という気持ちも。
そこで、移動の時間(電車の中や、待ち時間)用にカバンにしのばせているのが
この本です。
ノーベル賞作家 Le Clezio (ル・クレジオ)の最新の小説です。
実は、2月に学校の授業で(voyageがテーマだった週に)、「どこか行きたい場所を リサーチして おすすめ ツアーとして口頭発表しなさい」というものがありました。
その直前、別のテーマの課題で、クレジオのバイオグラフィーをレポートとして書いた際に、彼が昨年出版したばかりの Alma という小説を知りました。その舞台となっているモーリシャス島がすごく気になっていたので、迷わず、発表には、このインド洋のモーリシャス島を選択したのでした。
(インターネットで、この小説 Almaを紹介する番組が結構あって、クレジオ自身が喋っている動画が見られるのですが、とてもカッコイイです。
https://www.youtube.com/watch?v=8i97ZK69QkQ )
その後、帰国にあたって この小説を買って帰ろうと思い、リヨンで最大級の本屋に行って、店員さんに、
「クレジオの一番新しい小説はどこにありますか?」と聞いたら、
写真の本を教えてくれました。あれ?と思いましたが、彼いわく、「これは先週出たばかりのホヤホヤですよ。」
「ほかの著作は、こちらに全部あります。」と別の場所にも連れて行ってくれました。
ちょっと悩みましたが、せっかくなので、ホヤホヤのほうを購入しました。
(今年3月末に出版されたところです。こちらの本に関しても、you tubeでクレジオの対談が見られますよ。)
非常に読みやすい文体です。辞書なしで読めます。
細切れ時間を使っての読書ですが、あっという間に 物語の世界に入っていけます。
とてもいい。
あ~、この話を翻訳したいなぁ~、と 分不相応な願い まで生まれてきます。
韓国が舞台です。今、熱い韓国。(私がちょうど帰国した夜に、あの劇的な板門店の会談をやっていて、超久しぶりの日本のTVに かぶりつきで観ていました。 )
原書を読む以外に、パソコンで RFIのjournal en francais facile や、France info 、France Culture を視聴しています。
それでも、どっぷりフランス語漬けだったリヨン生活に比べると、こんな なまぬるくていいのだろうか?と思います。
しかし、なまぬるいのも じきにおしまい。まもなく、復帰第一弾の仕事が待っています! グループ(40人超え!)のロングツアー(西から東へのオールバスツアー)です。今週から、高野山と伊勢志摩に下見に行き、その他すべての行程に関して最善の準備をして臨まなければいけません。
本番は、もちろん発信型の仕事ですから、喋りまくることになります。
ここで、ほんとうに留学の成果があったかどうか?がわかります。コワイですね~笑
このツアーには、リヨンのギャラリーラファイエットで買ったデルセーのスーツケース持っていきます!
これ、初めてのソフトケース。日本人はハードタイプが好みですよね。私もこれまでハードしか使ってこなかったのですが、今回初めて、ヨーロッパでは主流の、ソフトタイプを試してみることに。帰国時に使ってみてわかったのですが、本体自体が軽いのと、結構入る!パッキングする最後の最後まで 頼れるカバンです。
中央が、デルセー。片面なので、深い。+ たとえ狭いホテルの部屋でも、場所を取らない。これもポイント高いです。
余談ですが、売り場の店員さん(若い黒人女性)が、ふとした瞬間に「コレ」と言った?!ので、「もしかして 今、日本語しゃべりました?」と聞いたら、「はい。大学で日本語を学んでいました。日本の文化が大好きで。」とのこと。このお姉さん、サービスぶりが まるで日本人みたいで、気持ちよかったです。7月に日本に旅行に行く と言ってました。
さて、帰りのJALの機内で買ったのが、こちら。
diptyqueのparfum solide(練り香水)です。
(diptyqueは、親友のオススメで知りました)
練り香水なら、長い仕事(ツアー)にも携帯しやすいですし♪
この香り、思っていた以上に素敵な香りで、気に入りました。
最後に、AFリヨンのクラスメートとのフェアウェルパーティの写真と、CPUの先生宅での写真を載せておきます(*^▽^*)
各国持ち寄りパーティ。
ふたりとも自然体で、上手い! 聴いていて、私もギターをやってみたくなりました♪
こちらは、リヨン市内を一望できる丘の上の先生宅。
元、経済学者の先生、仕事も家事も できる人はデキル!
あ~やっぱり、フランスのチーズは 恋しいな~♥♥
そうそう、リヨンの郵便局から送った小包、4日ほどでちゃんと届きました。
(7kgまで 56€ だったかな)
さようなら、リヨン
留学生活にも幕を下ろすときが、やってきました。
明日、リヨンを発ちます。
SNCF(フランスの国鉄)のストや、エールフランスのスト に重なり、大変な迷惑をこうむりながら(苦笑) なんとか帰れる見込みがたちました。
エールフランスにいたっては、22日の夜に、「23、24日のストで、あなたの予約されている24日の便(リヨン―パリ)は、キャンセルになる可能性があります。」というメールが送られてきたので、先手を打たねばと、25日の同じ便に変更しました。それに伴い、パリ―羽田のJAL便も変更したり、もろもろ再アレンジ。結構うっとうしい。
やっとメドもたって、迎えた、学校に通う最終日。24日の朝。
エールフランスから、まさかのメール。「25日のあなたの便は、ストの影響でキャンセルになりました。」と。 うそやろ~!
よくよく読んでみても、うそではない とわかったので、なんとかしなければならない。スト日ではないけど、まさかのキャンセルは、機材ぐりだな~。飛行機の場合は、そういうリスクがあったのだ。
もうエールフランスは頼らないぞ。SNCF(以前は25日は予約がとれなかったけれど)がひょっとして、と思ったら、早い時間だけれど、あいていたので、すかさず取りました。やれやれ。
この日は、授業では、朝から、第一次世界大戦に関するexpose(発表)があるというのに、こんな騒ぎに手間取るとは。
ところで、帰国は、当初、5月の末もしくは6月の初めを 予定していました。
けれど、日本側の諸事情があって、1か月あまり早めることにしました。
なので、留学期間は、7カ月。意外と短い。でも、自分の置かれている状況を考えると、潮時かな。
留学の成果については、日本に帰ってから、落ち着いて 振り返ることにします。
学校の先生やクラスメートと別れるのは残念ですが、
皆さんには、「日本で待ってまーす! 来日の際には、私がご案内しま~す!」と 言っていますので、さらに、訪日観光客が増えることでしょう。笑
実際、この7カ月、折りに触れて、日本の存在をアピールしてきたので、
フランスにいながらも、ずいぶんと インバウンドに貢献したはずです(^^;)
とにかく、ここまでやってこれたこと、たくさんの人に感謝しています。
最後に、担任の先生 とのツーショットを、載せておきます(^^♪
二人とも、大好きな先生。
(年長で 時に生意気な)私をとてもリスペクトしてくださいました。
\(^^)/
ファビアンと
ジュリアンと
PS ただ今、パリの空港です。
引越しも無事 済ませ、TGVにも無事 乗れて到着。JAL便まで たっぷり待ち時間がある(7時間!)ので、まずはエアフラのチケットカウンターに行って、さんざん主張して、払い戻しに成功しました。
待ち時間に、いろんな人と話をしているうちに、ボーディング時間が迫ってきました。
こちらは、面白そうなので、さっき買いました。
DALF C1 結果
先日、結果がわかりました。
合格しました。
あまり手ごたえがなかっただけに、嬉しいです。
気になる点数は、69点。(50点で合格)
内訳は、
CO:11/25
CE: 22/25
PE: 18/25
PO: 18/25
COは、受験後のブログにも書いたとおり、撃沈したので、5点に満たなかったら
どうしよう?と本気で思っていました~。なので、これでもウレシイ(^^;)
CEは、今回の留学の成果だといえます。
PEは、やはり試験後に振り返ったとおり、synthese は、かなりいい出来だったと思いますが、essai argumente が不十分だったと思います。あと、字数を数えなかった(数えなくてもいいや、と思っていた(^^;) )ので、減点されたな~と反省。
POは、あの悪条件で健闘したとは思うものの、20点は欲しかったな、と思います。
得意な PEとPOがあと数点ずつ取れたはず、と思うと、くやしいけれど、
この試験は、さすがに フランス語の「運用能力」を計る試験だけあって、
分野ごとの実力が ある程度 反映されている、と思います。
準備期間が、1か月だったので、集中的に訓練したsynthese をのぞき、なおさら、そのまま 自分の実力が出た、とも言えます。
しょうがない、結果を受け入れよう~
あと、この試験は、フランス人の考え方、論理の展開の仕方にのっとって、書いたり話したりしないと点数に結びつかないので、日本人としての自分らしさは封印して、フランス人を演じる ようなところもあります。
そういう意味では、ガイディングに求められるものとは、やや志向が違います。
それでも 受ける意義は十分あったと思います。
お世話になった先生方に、メールで結果をお知らせすると、非常に喜んでくださいました。人に喜んでもらえると嬉しいです。
やっぱり、どんな試験でも 合格って いいものだわ。
まだまだ 道は険しいですが、
帰国後、仕事が一段落したら、次は C2 を目指そう という闘志もわいてきています!
ラ・トゥーレット修道院へ ~コルビュジエの傑作~
春らしい陽気の中、リヨン市内から車で40分ほどの郊外にある、コルビュジエ建築を訪ねてきました。
修道士さんによるガイドツアーが、午後2時から ということなので、
我々(Pierreおじさん+女子3人)は、とりあえず外観を眺め、
辺りをのんびり散策したあと、
世界遺産の修道院の真ん前で、ピクニック。お天気も良く、自然の中で、持ち寄りのランチが美味しい(^^♪
2時前になると、いつのまにか、ガイドツアー目当てのビジターが、20~30人ほど集まってきていました。
そこに、こんなジャン修道士が現れると、期待が高まってきます。
まずは、外から、なぜコルビュジエがこの草原の地を選んだのか & この建築の概要の説明。(メモメモ!)
・大きく分けると、居住部分と 聖堂 から成る
・非常にシンプルで、平面を重ねていく構造
・共用部分は開放的でありながら、4階5階のcellules (個室)はプライバシーをキープする造り
と、いろいろ語られたのですが、それでも、まだ中に入るまでは、この建築のすごさはわからなかった・・・
エントランスでは、ジャン修道士は、
『Moduole』:コルビュジエが黄金比(nombre d'or) を基に提案した設計のための尺度 (module +nombre d'or)
を説明されていました。なんか、このいでたちで、現代建築を語っていらっしゃるのが、不思議なんですが、話にひきこまれます。
ここは図書室。壁には、何か所もこういう扉があります。通気のためです。
回廊も、ご覧の通り、人の身の丈にあったサイズ感、ずっーと窓があって、開放的です。
足元には、暖房装置が。
修道院は、3つの機能 (集会する場、食事をする場、祈りの場)を備えているのですが、そのいずれの場所も、光を見事に取りこむように設計されているのが、すごいんです。
ここも、眺めが素晴らしいです。
こちらは食堂とキッチン。
そして、最後は、聖堂につながるドアへ。
極めつけは、この聖堂です。
偉大なるシンプルさ!
ジャン修道士いわく、ごてごてと修飾した聖堂は時に頭が痛くなるけれど、ここは、自分が務めた中で、一番、居心地がいいと。
美しい・・・
そして、このシンプルな中に、ほんとうによく考えぬかれた採光システムがあって、そのひとつひとつに、感動してしまいます!
(↑ 天井の窓、しかり・・・)
聖書を光のもとで読めるように、窓が設計されています。
正直、最初に外観を見たときは、コンクリートの塊のようにしか見えませんでしたが、中に入って、説明を聴きながら、自分の身体を通して感じた居心地の良さは、まさに、コルビュジエ建築の真髄だと思いました。
↓ ため息がでるような・・・
最後、ジャン修道士にお礼を言うと、日本からもたくさん建築家や建築科の学生が来て、熱心に見学をされので、ありがたい、とおっしゃっていました。
皆さんも、訪れることがありましたら、ぜひ、ガイドツア
ーに参加されることをお勧めします。2時間ほどかけて案内してくださいます。(入場料のみ 学生は5€)
南仏プロヴァンスでリフレッシュ!の旅
先日、3連休(土日月)を利用して、南仏の友人を訪ねてきました。
彼女は、以前はドイツに長く住み、バリバリ仕事をしていて、今は、フランス人と結婚してお子さんも生まれ、エクサンプロヴァンスから車で20分ほどの、ラ・ブイヤディースという町に住んでいます。
リヨンからエクサンプロヴァンスまでは、TGVで1時間半ほど。 意外と近いです!
彼女と会うのは8~9年ぶり。駅のホームまで迎えにきてくれていました。
まずは、エクサンプロヴァンスの市内へ。
朝早く到着したので、メインストリート(ミラボー通り)のマルシェをぶらぶら見たあと、旧市街の広場に立つ市場へ。
魚の種類が豊富で、新鮮なこと!
リヨンより海が近いことを実感します。
⤵これはサン・ソヴール大聖堂
(5~17世紀の様々な建築様式が入り組んでいるそう)
ランチは、彼女が予約してくれていた モロッコ料理のレストラン Riad にて。
お店のお兄さんに相談しながら、クスクス(agneau 羊のCouscous)とタジン(Kefta a l'oeuf ひき肉と卵のTajins)を注文しましたが、どちらもとても美味しかったです(^^♪
デザート(モロッコ菓子の盛り合わせ)と ミントティーもね。
午後もエックスでショッピング続行。女2人だと、止める人がいない(^^;)
⬆真ん中の黄色のお店は、可愛らしいお菓子を買ったお店。
夜は、彼女の家(南仏らしい風景をみおろす高台にあって、コンテンポラリーな別荘風のお家です)で。 ゲストルームもリビングルームも、ざ・フランスという感じのインテリアで、素敵でした~。(残念ながら写真は掲載できませんが、chambre d'hoteができそうなお宅です)
翌日もすこぶる快晴~。青い空。穏やかな空気。
朝食は、和食(ご飯、お味噌汁、卵焼きなど)を作ってくれました~。手作りの和朝食をいただくなんて、久しぶり~。
この日は、なんといってもおススメの Cassis カシへ。
わ~ぉ! 絶景で~す!!
髪は乱れるけど、絶景で~~す!
これぞ地中海の青さだ~。
いいわ~~
夏は、海水浴で大変にぎわうそうです。
⤵こちらで、ラベンダーやレモンのジャムを、お土産に買いました。
このムッシュは、ニースに近い村で、奥さんと二人で、ハチミツやジャムを作っているそう。こうして対面で買えるのも、エックスの街中よりも良心的な価格なのも嬉しいです。
ランチもカシの海辺で~。
まったり、のんびりと。
週末でどの店も混んでいたのですが、ここのオーナーは、大の日本びいき、ということで、5分も待たずに案内してくれました。
青い空、青い海を眺めながら、シーフードをいただくのは、幸せ♪
La Soupe de poisson (ブイヤベースのスープだけ、にパンとチーズを浮かしながら食べる)が美味しすぎるぅ~!!!
カシの路地も雰囲気ありま~す♥
素敵ですね♥
ピンクや黄色の壁ですからねぇ。
日本でも、谷中とか、外国人が路地を撮りたがる気持ちがわかります。
予定よりもカシで長く過ごしたあと、マルセイユへ~。
まずは、私のリクエストで、コルビュジエのユニテ・ダビタシオンへ。
これが見たかったー、ので、感動。
このピロティ、迫力あります!
内部も、3階、4階、9階が見学できます。
(↑ 予約をしていたら、部屋の内部も見れるようです。)
1952年完成ということは、65年が経つ・・というわけですが、
色あせないモダンさにびっくり。構造のすごさといい、光の取りこみ方といい、コルビュジエってやっぱりスゴイ建築家なんだなぁー、と実感できました。
3階にある小さなブティックで、可愛い動物を見つけたので、衝動買いしてしまいました(^^;) 姪っ子の赤ちゃん(4か月の男の子)へのおみやげです。青いぞうさんにしました。
チェコ製なんですが、デザインがオシャレ。(ちゃんと折り畳んだものを持って帰れますので、ご心配なく。)
それに、コルビュジエの世界遺産の中で買ったんだよ、っていうと、ぐっと価値があがりませんか?
(孫がいたら、たぶんキリンも買ってた・・・)
屋上からは、海が見えますよー。
このあと、変貌しつつあるマルセイユの港町へ ~。
(旧港) ↑ 絵葉書みたいだ。
途中、中心街の長い海底トンネルをバンバン走りました(友人の運転は、手慣れたもの。さすがっす!)
港沿いのドック地区は、再開発されて、新たなショッピングゾーンになっているようです。
ここで試食したオリーブオイル入りのチョコが美味しかったので、おみやげに買いました。
夜は、彼女の友人2人が出てきてくれて、4人でディナー、おなかを抱えて笑うような話ばかりで、盛り上がりました。
(写真、撮り忘れました~)
3日目。彼女の住むラブイヤディースから車で20~30分ほどの村、カストレ Castelletへ。
その前に、途中、唯一開いていたドメーヌに寄って、バンドルBandol ワインの試飲。
(Paqueの休日のため、どこも閉まっているんですが、一軒あいていてラッキでした)
Bandolといえば、ロゼ。
ロゼを2種と、赤もあるということで 3種類を少しずつ試飲しましたが、意外と赤が美味しかったです。でも、ロゼを1本購入~。ほんとはもっと買いたいけど、帰国時の荷物重量制限が常に頭をよぎる~。
このあたりも、ブドウ畑ばっかりです!
カストレは、丘の上にあって、とってもプロヴァンスらしい小さな村。
プロヴァンスのイメージそのものです。
可愛い雑貨や洋服のお店がたくさんありました。
ここからの眺めもいい~。
お昼は、親切なおじさんのお店でフガスを買って、食べ歩き。
名残惜しいけれど、最後は、エクサンプロヴァンスのTGVの駅まで送ってもらって、
友人と別れました。
帰りの高速から、(セザンヌの愛した)ヴィクトワール山が、くっきり見えました。
DALF C1 受験記(2)
前回(DALF C1 受験記(1))の続報です。
先週(2018.3.21)、2次のproduction orale(口頭表現) を受けてきました。
実はこうやってブログに書けるのも、怒り(?)がやっと収まってきたからでもあります。
私の試験開始時間(注:集合時間ではありません)は、8時に設定されていました。朝早い。突然メトロやトラムがとまるリヨン。リスクがおおいにあるので、最悪、歩いても間に合うように(歩くと50分かかる(-_-;)、
7時前に家を出たところ、意外にちゃんとトラムが来て、スムーズに学校に到着。しかし、7時25分。逆に早すぎた。門が閉まっている。しょうがない。この日は寒くて、風が強かった。しょうがないので、カフェまで歩いて、紅茶を飲んで時間をつぶしました。さすがに15分前には門も空いているだろうと思って、7時45分に行ってみた。がーん。門が閉まっている。
うそやろ~。DALFは、オフィシャルな試験だぞ~。
門のブザーを鳴らしても、学校の周りをぐるりと回って、ほかの扉が開いていないか探しても、ダメ。どうなってるんだ~。寒いよ~。
ひょっとして、私が時間を間違えたのか、いや、そんなことはない。
寒い~。すると5分前になって、女の先生が道の向こうから歩いてきて、続いて、もう一人女の先生が歩いてきた。
2人に、試験開始が8時なのに、なんで~?と問い詰めると、
2人とも、焦った様子で、しかも、どちらもカギを持っていない、という。えっ~。2人が互いを責めあっている。私は、この寒い中、30分も待っていること、このオーガニゼーションの悪さが信じられないことを、2人に訴えると、
ひとりは「大丈夫。私が(production orale の準備60分を監視する)試験官だから。」と言う。そういう問題じゃないんだが・・・。じゃあ、もう一人(知らない先生だったので)は誰なんだ?と思ったら、「私が(prodution orale の)面接官だ」と言う。はぁ。そう言われると、あんまり悪態をつくこともできず・・・3人で門の前でやきもきしていたら、
8時になって、掃除のおじさんが門を開けた。なんだ、やっぱり中に人はいたのか。2人の先生が、おじさんを責めている。おじさんは何も聞いてない、と言う。もう、連絡していないのが誰のせいか知らんが、私は、トイレに直行。(だってカフェで飲みたくない紅茶を飲んだんだもん)
トイレから出ると、掃除のおじさんが、自分は悪くないとばかりに、8時を指している自分の腕時計を見せてくる。8時に門を開けたから、いいだろ?と。はぁ?8時は試験開始時間なんですが?ま、このおじさんに何を言っても無駄なので、試験室へ行く。そうすると、まだコートを脱いでいる段階から、さっきの先生が試験用紙を配り、説明を始める。おかしい。そちらの不手際なんだから、試験開始を8時15分とか、せめて10分から、とかにするべきでは?先生は、用紙を配りながら、「寒かったでしょう。暖かいコーヒーか紅茶をもってくるから、暖まって」と言う。「いえ、さっき、待っている間に紅茶を飲んだので、(これ以上飲むと、またトイレがヤバい)結構です。どうぞ先生だけお好きにお飲みください。」腹が立っているのだけど、そんな風に言われると、ちゃんと返さなくてはいけない(大人だから)。先生は「申し訳ない」というので「あなたのせいじゃない」と答える。いい人~、というより、とにかく、私は、少しでも早く、テキストを読みたいのだ。だって、口頭発表の準備60分の間に、提示された2種類のテーマから1つ選んで、そのテーマに関するテキストを2つ読まなければならない。読んで、それを参考文献として、今度は自分のexpose(口頭発表)のために、序論と本論のプランと結論を考えなければならない。とりわけ、いかにプランを構築するかがカギなので、時間との勝負なのです。1分でも惜しい。1分でも早くとりかかりたいのに、なんで、こんなコンディションなの? ここで自分自身をコントロールしないと、めちゃくちゃ損なだけなので、私はとにかく自分に「落ち着け。落ち着け。」と言い聞かせ、テキストを読み始めました。しかし、先生はなんだか気にして話かけてくるし、正直、最初の5分くらいは、集中できませんでした。
で、イントロ部分はすごい勢いで作って、プランは非常に立てにくいテーマでしたが、なんとか立てて、結論部分を考えていた時に、先生が来て、「1時間経ったから、面接室のほうへ移りましょう」と言ってきた。むかっ。なんで? 9時5分やん。開始したのは8時8分。この状況で早めに切り上げるなんて、ありえない。私は断固として抵抗し、「しっかり1時間とるのが、スジというものと違いますか?!」と訴えた。その凄まじい抵抗ぶりに、先生も納得して、3分後に準備終了となった。
面接室(口頭発表を行う教室)に行くと、さっきの(もう一人の女の)先生と、男の先生(この先生は知っている)が、並んでいました。「大丈夫ですか?」とか言われたような気がするけれど、この場におよんで、あーだこーだ言っても見苦しいので、もうここからは笑顔とばかりに、「大丈夫です。準備OKです。」とニッコリ応えました。
だって、面接だもの。入室したときから面接は始まっている、っていうのが、ずっと昔から、就活の面接や、その他公的な面接試験で守ってきた鉄則。
というわけで、まずは口頭発表。これまでは10分~15分という時間設定だったのに、なぜか今回の試験から、8分~10分 という制限時間に変更になっていた!私はどちらかというと15分を超えてしゃべってしまう傾向があったので、前日までは13分くらい話すのをメドにしていた。そんなわけで、さらに短めを意識。結局、何分しゃべったかわからないけど、これで逆に8分を切っていたら、悲しい。
発表が終わると、この発表に関する質疑応答。この時間が例年よりも逆に長かった。2人から、結構、質問攻め。この会話を楽しむ感じが好きなので、いくら続いてもいいのだけど、男性面接官のほうは(いつもは感じがいいのに)、なかなか厳しい感じでした。ただ、そういう役割を演じていらっしゃるのだろうと思ったので、別にひるむ必要はなく、まずは質問を笑顔で受け止めて、「おっしゃる通りです。でも・・・」と反論(あるいは説明)する(のが定石です)。
というわけで、2次試験が終わりました。
日本では絶対ありえないような事態(日本だったら、30分前には当然会場の門は空いているでしょうし、5分前に試験官がくることもないでしょう)に、ほんまにこの国は~!という気持ちはぬぐえません。これが普通の授業だったり、学校内の試験だったら、まだわかりますよ~。でも世界で実施されいる、国が認定するオフィシャルな試験ですから。
しかも、リヨンで数ある試験会場から、せっかく、信頼して、わがアリアンスフランセーズを選んだのに~。
この学校はいい先生も多いし、好きなのですが、オーガニゼーションの悪さは、今回だけでなく、この試験に向けてお願いした(たった)5回の個人レッスンでさえ、(1月の初旬の時点で、2月にレッスンをお願いしていたのに、結局、3月の試験直前までスケジュールが決まらず、試験直前にまとめて入れられて、消化不良~)あまりのひどさに、スケジューラに本気で怒った、といういきさつがあります。そんないきさつを許し、乗り越えて迎えた本番が、まさかのこれでした~。
DALF C1 受験記(1)
昨日(2018. 3.16)、DALF(いわゆるフランス語上級者試験)のC1を受けてきました。
このC1試験は、4種目から成り立っています。
1.Comprehension orale (聴解)
6分程度の音源を2回聴いて、10余りの質問に答える=長いバージョン
2分程度の音源(2種)を1回聴いて、6~7程度の質問に答える=短いバージョン
音源を聴く前に、いかに、すべての質問を素早く読んで、臨戦態勢に入るか、が一つのカギです。
2.Comprehension ecrite (読解)
1500~2000語のドキュメントを読んで、12ほどの質問に答える。大半が記述式。正誤問題でも、justification 根拠となる記述が求められる。
これを、50分でやります。
3.Production ecrite (文書作成)
2部構成。(Synthese と Essai argumente)
1000語くらいから成る記事を2つ読んで、それをSynthese(=それぞれの記事の主要な点をつかんで、共通項を洗い出し、それをさらに再構築して、自分の語彙・表現力を駆使して、200~240語で要約)する。あくまで客観的に。
プラス!記事に関連したテーマが与えられるので、それに関して自分の意見を、具体例を交えながら、250語ほどのEssai argumente(問題提起を含むエッセイ)にする。
この2つの文書作成(いずれもリスペクトしなければならない「型」があります)を、2時間半でやります。
4.Production orale (口頭表現)
まず準備(1時間)。複数(3種類)のドキュメントが与えられるので読む。それをもとに、テーマに沿った論述のプランを練る。
その後、面接(30分):口頭発表15分 のち 質疑応答15分
というわけで、昨日は、この4つのカテゴリーのうち、3つまでが行われました。来週、個別に、4つめのproduction orale が行われます。
受験場所は、自分で選べるのですが、私は、母校の(?)アリアンスフランセーズにしました。通いなれているので、不要なプレッシャーがないからです。人によっては、リヨンカトリック大学など、大教室で受験するほうが、その他大勢と化して緊張しないとか、採点基準が甘いとか、言われますが、ま、人それぞれ。自分の選択が自分には一番イイ、と信じましょう。
実際、昨日のアリアンスのC1受験者は、たった11人でしたが、試験前に、日頃の担任の先生に出くわし、指をクロスして幸運を祈ってもらえましたし、トイレの場所も勝手知ったる、という感じで、安心感がありました(笑)。
私は、今回の受験にあたって、何より懸念していたのは、「時間配分(時間不足)」ということでした。
読解の練習問題では、たいてい、50分のタイムリミットが来たときに、設問の半分ほどしか解いてないような状況でしたし、
文書作成でも、家でsyntheseする場合、複数の記事の共通項をどの順番で並べるか、フレーズをどう表現するか、練れば練るほど、えらい時間が過ぎていた・・ということがほとんどでした。
なので、先生や友人にも、「私の場合、試験は、時間との闘いなんです!」と言ってきました。
ところが、実際の試験では、そこを十分警戒していたせいか、あるいは、(短かったけれど)訓練の成果なのか、はたまた、火事場のなんちゃらなのか、いずれも時間内にできました。
それは良かった。
しかし、最初のリスニングで、しくじりました~(≧∇≦)。長いバージョンのほうでは、全体の内容は理解できているのですが、似たような設問が多くて、どの設問にどの答えを当てはまればいいか、混乱してしまい、おそらく、かなりの確率で、ずれた記述をしているはずです。撃沈。短いバージョンのほうで、少しは取り返したとしても、全体的に、予想以下の出来です。
一方、読解のほうは、テーマが「多言語の絶滅危機」という、馴染みのあるテーマだったのはラッキーでした。実際、今月の学校のクラスの学習テーマが、「言語」だったので~。論旨がわかりやすかったので、設問にも適切に答える余裕があったと思います。
文書作成のほうのテーマは、「フランス語の綴りにおける問題」でした。synthese(要約)は、習得中のテクニックを使って、そこそこ点数の取れる文書にできたと思います。essai argumente(エッセイ)のほうは、時間を気にして、プランをしっかり練らないまま書き始めたので、それなりに形にしたものの、argumentsが足りなかったな、と反省しています。字数も数えていないし、減点対象がいくつかあると思われます。
ということで、一次は、聴解で撃沈して、読解と文書作成で再浮上した、という感じです。実は、不本意にも、フランスに来て急に、自分の眼が老眼化したため(-_-;)、細かい字が読みづらく、読解が苦手になっていたので、昨日の読解ができたのは救いでした。このへんは、若い人達には理解してもらえないハンディキャップですが、その分、人生経験ではアドバンテージがあるので、プラマイ0 と思いたいです(*^▽^*)
まだproduction oraleが残っているのですが、3種目終えた時点で、なんか試験から解放された気分です。いかん、いかん。
フィギュアスケートにたとえると、ショートが終わって、なんとかメダル圏内(つまり合格圏内)にとどまり、フリーに望みをつなげることができたところ。
来週のフリーでは、大きなミスを避けながらも、いかに観衆(試験官)を魅了し、自分のできうる最良のパフォーマンスにもっていくか、になります。
できることなら、フリーで、羽生君のような、強い精神力をもって、自分自身が納得のいく結果を出したいです。