リヨン美術館のツアー
美術館ツアーの話をする前に、Carte Cultureという、この優れもののカードのことを紹介しておきます。
このカード、38ユーロで買えるのですが、これがあれば、リヨンの6つの美術館に(常設展でも特別展でも)自由に何度も入れます。1年間有効。ひとつの美術館の入場料が8ユーロくらいするので、行けば行くほどかなりお得。しかも、このカードで劇場や映画館も割引になります。
私が驚いたのは、昨日、Auditoriumという「リヨンオーケストラ」の本拠地であるコンサートホールに行って、12月のコンサートを2つ、予約してきたのですが、なんと通常34~48ユーロするコンサートが、それぞれ、たった10ユーロで購入できました。なんとミラクルなCarteなんでしょう!
で、このカードがあれば、リヨン美術館のガイドツアーにも、プラス3ユーロ払えば、参加できます。
私のホームステイ先の家は、Croix-Rousse という丘の中腹にあり、坂道を下れば、オペラ座やリヨン美術館まで5分足らず、という好立地にあります。なので、週末にふらりと行ったり、なんなら(帰り道なので)学校帰りに毎日寄ることもできるわけです(^O^)
Musée des Beaux-Arts リヨン美術館は、建物は17世紀の大修道院で、古代エジプトから近現代まで、幅広い作品を所蔵し、ヨーロッパでも最大規模の美術館と言われています。
↑ 前庭はこんなふうに憩いの場になっています。
↑ エントランスはこんな感じ。
↑ 受付を済ませると、いきなりこの絵が迎えてくれます。
↑ ↓ 館内にはチャペルを利用した展示室もあって、彫刻の展示室になっています。
私が今回(10/14土曜日11:30~)参加したガイドツアーは、1時間で、
chefs-d'œuvre du musée 代表作品を解説つきでまわるコース。
ガイドさんによって選ぶ作品も異なるようです。
本日のガイドさんは、Anne-Eveさん。
参加者は、私を入れて6人。私以外はフランス人です。
↑ 彼女がまず連れていってくれたのは、エジプト室。
ここは、、↑ 先日、ちらりと美術館を下見に来た時、子供たちが授業を受けていたところです。
Anne-Eveさんの解説は、詳しい。上手。速い。これがナチュラルなスピードなんだろうけど、外国人が混ざっていても容赦ないなー。うんうん、と(さも理解しているように)うなづいている私も悪いんだろうけど。
次に彼女が連れていってくれたのは、la Vierge マリア様の像。
「頭にある四角い穴は、なんのためでしょう?」というAnne-Eveさんの問いかけ。bougieろうそくを置くため?と言う人あり。答えは、relique を入れるため。われわれ日本のガイドが、五重塔を説明するときに使う単語relique舎利ですね。
↑ 次に向かったのは、14世紀の像。ガブリエルがマリアに受胎告知している場面です。
マリオネットみたいに腕が動く(aux bras articulés) ようになっています。
↑ どんどん進んで、次に彼女が連れていってくれたのは、アールヌボーの世界。
ここでは、japonisme ジャポニズムの影響(植物の文様だとか、asymétrie な装飾)についての解説があり、解説の中に、japon やjaponismeの言葉が出てくるとなんとなく嬉しいものですね。
↑ このステンドグラス、よく見ると、「女の一生」が描かれています!
ここで 日光東照宮の「三猿の一生」を思い出したのは、、、私だけでしょう (^-^;
↑ Anne-Eveさんはいろいろvitraux ステンドグラス のテクニックについて話していました。
↑ これはHector Guimardの(奥さんの)寝室です。Guimardのアールヌボーはパリのメトロの入口で有名、ということで、こんな解説書もありました。↓
↑ その後、Anne-Eveさんが向かったのは、16世紀のイタリア画家Véronèseのこの傑作。
彼女はこの絵一枚に対して、10分以上、語っていました。すげぇ・・・
さて最後は les Impressionnistes 印象派 ですよー。
数ある中から彼女が選んだこの絵は、私が下見の時に一番気に入っていた絵でした。
言わずもがな、モネですね~。
というわけで、Anne-Eveさんのガイドぶりに圧倒された1時間でした。
もちろん、彼女はこの美術館の学芸員だし、母国語で喋っているのだから、
当たり前なのかもしれないけれど、自分も日本の美術館を案内するときは、
頑張らなきゃーと思わされました。
↑ ちょうとお昼時になったので、近くのMonop’でサンドイッチを買ってきて、美術館の前庭でランチしました。ゲートを何度も出入りしているので、荷物チェックのおじさんに顔を覚えられたはず(^-^; まだまだ通いまっせ。