DALF C1 受験記(1)
昨日(2018. 3.16)、DALF(いわゆるフランス語上級者試験)のC1を受けてきました。
このC1試験は、4種目から成り立っています。
1.Comprehension orale (聴解)
6分程度の音源を2回聴いて、10余りの質問に答える=長いバージョン
2分程度の音源(2種)を1回聴いて、6~7程度の質問に答える=短いバージョン
音源を聴く前に、いかに、すべての質問を素早く読んで、臨戦態勢に入るか、が一つのカギです。
2.Comprehension ecrite (読解)
1500~2000語のドキュメントを読んで、12ほどの質問に答える。大半が記述式。正誤問題でも、justification 根拠となる記述が求められる。
これを、50分でやります。
3.Production ecrite (文書作成)
2部構成。(Synthese と Essai argumente)
1000語くらいから成る記事を2つ読んで、それをSynthese(=それぞれの記事の主要な点をつかんで、共通項を洗い出し、それをさらに再構築して、自分の語彙・表現力を駆使して、200~240語で要約)する。あくまで客観的に。
プラス!記事に関連したテーマが与えられるので、それに関して自分の意見を、具体例を交えながら、250語ほどのEssai argumente(問題提起を含むエッセイ)にする。
この2つの文書作成(いずれもリスペクトしなければならない「型」があります)を、2時間半でやります。
4.Production orale (口頭表現)
まず準備(1時間)。複数(3種類)のドキュメントが与えられるので読む。それをもとに、テーマに沿った論述のプランを練る。
その後、面接(30分):口頭発表15分 のち 質疑応答15分
というわけで、昨日は、この4つのカテゴリーのうち、3つまでが行われました。来週、個別に、4つめのproduction orale が行われます。
受験場所は、自分で選べるのですが、私は、母校の(?)アリアンスフランセーズにしました。通いなれているので、不要なプレッシャーがないからです。人によっては、リヨンカトリック大学など、大教室で受験するほうが、その他大勢と化して緊張しないとか、採点基準が甘いとか、言われますが、ま、人それぞれ。自分の選択が自分には一番イイ、と信じましょう。
実際、昨日のアリアンスのC1受験者は、たった11人でしたが、試験前に、日頃の担任の先生に出くわし、指をクロスして幸運を祈ってもらえましたし、トイレの場所も勝手知ったる、という感じで、安心感がありました(笑)。
私は、今回の受験にあたって、何より懸念していたのは、「時間配分(時間不足)」ということでした。
読解の練習問題では、たいてい、50分のタイムリミットが来たときに、設問の半分ほどしか解いてないような状況でしたし、
文書作成でも、家でsyntheseする場合、複数の記事の共通項をどの順番で並べるか、フレーズをどう表現するか、練れば練るほど、えらい時間が過ぎていた・・ということがほとんどでした。
なので、先生や友人にも、「私の場合、試験は、時間との闘いなんです!」と言ってきました。
ところが、実際の試験では、そこを十分警戒していたせいか、あるいは、(短かったけれど)訓練の成果なのか、はたまた、火事場のなんちゃらなのか、いずれも時間内にできました。
それは良かった。
しかし、最初のリスニングで、しくじりました~(≧∇≦)。長いバージョンのほうでは、全体の内容は理解できているのですが、似たような設問が多くて、どの設問にどの答えを当てはまればいいか、混乱してしまい、おそらく、かなりの確率で、ずれた記述をしているはずです。撃沈。短いバージョンのほうで、少しは取り返したとしても、全体的に、予想以下の出来です。
一方、読解のほうは、テーマが「多言語の絶滅危機」という、馴染みのあるテーマだったのはラッキーでした。実際、今月の学校のクラスの学習テーマが、「言語」だったので~。論旨がわかりやすかったので、設問にも適切に答える余裕があったと思います。
文書作成のほうのテーマは、「フランス語の綴りにおける問題」でした。synthese(要約)は、習得中のテクニックを使って、そこそこ点数の取れる文書にできたと思います。essai argumente(エッセイ)のほうは、時間を気にして、プランをしっかり練らないまま書き始めたので、それなりに形にしたものの、argumentsが足りなかったな、と反省しています。字数も数えていないし、減点対象がいくつかあると思われます。
ということで、一次は、聴解で撃沈して、読解と文書作成で再浮上した、という感じです。実は、不本意にも、フランスに来て急に、自分の眼が老眼化したため(-_-;)、細かい字が読みづらく、読解が苦手になっていたので、昨日の読解ができたのは救いでした。このへんは、若い人達には理解してもらえないハンディキャップですが、その分、人生経験ではアドバンテージがあるので、プラマイ0 と思いたいです(*^▽^*)
まだproduction oraleが残っているのですが、3種目終えた時点で、なんか試験から解放された気分です。いかん、いかん。
フィギュアスケートにたとえると、ショートが終わって、なんとかメダル圏内(つまり合格圏内)にとどまり、フリーに望みをつなげることができたところ。
来週のフリーでは、大きなミスを避けながらも、いかに観衆(試験官)を魅了し、自分のできうる最良のパフォーマンスにもっていくか、になります。
できることなら、フリーで、羽生君のような、強い精神力をもって、自分自身が納得のいく結果を出したいです。