現役通訳ガイドのフランス留学

2007年からフランス語の通訳ガイドとして日本全国を飛び回っています。ガイド歴11年目の今年、9か月休業してフランスに留学することに決めました。せっかくなので、ガイド目線で、留学先・リヨンの学校やホームステイの様子、フランスのツーリズムの状況などを綴っていきます。日本のインバウンドに携わっている方、通訳ガイドを目指している方、フランス語を勉強している方、今さら留学(?)をお考えの方などに、ぜひ読んでもらいたいです!

ラ・トゥーレット修道院へ ~コルビュジエの傑作~

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春らしい陽気の中、リヨン市内から車で40分ほどの郊外にある、コルビュジエ建築を訪ねてきました。

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修道士さんによるガイドツアーが、午後2時から ということなので、

我々(Pierreおじさん+女子3人)は、とりあえず外観を眺め、

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辺りをのんびり散策したあと、

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世界遺産修道院の真ん前で、ピクニック。お天気も良く、自然の中で、持ち寄りのランチが美味しい(^^♪

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2時前になると、いつのまにか、ガイドツアー目当てのビジターが、20~30人ほど集まってきていました。

そこに、こんなジャン修道士が現れると、期待が高まってきます。

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まずは、外から、なぜコルビュジエがこの草原の地を選んだのか & この建築の概要の説明。(メモメモ!)

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・大きく分けると、居住部分と 聖堂 から成る

・非常にシンプルで、平面を重ねていく構造

・共用部分は開放的でありながら、4階5階のcellules (個室)はプライバシーをキープする造り

と、いろいろ語られたのですが、それでも、まだ中に入るまでは、この建築のすごさはわからなかった・・・

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エントランスでは、ジャン修道士は、

『Moduole』:コルビュジエ黄金比(nombre d'or) を基に提案した設計のための尺度 (module +nombre d'or)

を説明されていました。なんか、このいでたちで、現代建築を語っていらっしゃるのが、不思議なんですが、話にひきこまれます。

 

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ここは図書室。壁には、何か所もこういう扉があります。通気のためです。

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回廊も、ご覧の通り、人の身の丈にあったサイズ感、ずっーと窓があって、開放的です。

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足元には、暖房装置が。

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修道院は、3つの機能 (集会する場、食事をする場、祈りの場)を備えているのですが、そのいずれの場所も、光を見事に取りこむように設計されているのが、すごいんです。

 

 ここも、眺めが素晴らしいです。

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こちらは食堂とキッチン。

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そして、最後は、聖堂につながるドアへ。

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極めつけは、この聖堂です。

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偉大なるシンプルさ! 

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ジャン修道士いわく、ごてごてと修飾した聖堂は時に頭が痛くなるけれど、ここは、自分が務めた中で、一番、居心地がいいと。

 

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美しい・・・

そして、このシンプルな中に、ほんとうによく考えぬかれた採光システムがあって、そのひとつひとつに、感動してしまいます!

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(↑ 天井の窓、しかり・・・)

聖書を光のもとで読めるように、窓が設計されています。

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正直、最初に外観を見たときは、コンクリートの塊のようにしか見えませんでしたが、中に入って、説明を聴きながら、自分の身体を通して感じた居心地の良さは、まさに、コルビュジエ建築の真髄だと思いました。

↓ ため息がでるような・・・

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最後、ジャン修道士にお礼を言うと、日本からもたくさん建築家や建築科の学生が来て、熱心に見学をされので、ありがたい、とおっしゃっていました。

 

皆さんも、訪れることがありましたら、ぜひ、ガイドツア

ーに参加されることをお勧めします。2時間ほどかけて案内してくださいます。(入場料のみ 学生は5€)

 

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