ラ・トゥーレット修道院へ ~コルビュジエの傑作~
春らしい陽気の中、リヨン市内から車で40分ほどの郊外にある、コルビュジエ建築を訪ねてきました。
修道士さんによるガイドツアーが、午後2時から ということなので、
我々(Pierreおじさん+女子3人)は、とりあえず外観を眺め、
辺りをのんびり散策したあと、
世界遺産の修道院の真ん前で、ピクニック。お天気も良く、自然の中で、持ち寄りのランチが美味しい(^^♪
2時前になると、いつのまにか、ガイドツアー目当てのビジターが、20~30人ほど集まってきていました。
そこに、こんなジャン修道士が現れると、期待が高まってきます。
まずは、外から、なぜコルビュジエがこの草原の地を選んだのか & この建築の概要の説明。(メモメモ!)
・大きく分けると、居住部分と 聖堂 から成る
・非常にシンプルで、平面を重ねていく構造
・共用部分は開放的でありながら、4階5階のcellules (個室)はプライバシーをキープする造り
と、いろいろ語られたのですが、それでも、まだ中に入るまでは、この建築のすごさはわからなかった・・・
エントランスでは、ジャン修道士は、
『Moduole』:コルビュジエが黄金比(nombre d'or) を基に提案した設計のための尺度 (module +nombre d'or)
を説明されていました。なんか、このいでたちで、現代建築を語っていらっしゃるのが、不思議なんですが、話にひきこまれます。
ここは図書室。壁には、何か所もこういう扉があります。通気のためです。
回廊も、ご覧の通り、人の身の丈にあったサイズ感、ずっーと窓があって、開放的です。
足元には、暖房装置が。
修道院は、3つの機能 (集会する場、食事をする場、祈りの場)を備えているのですが、そのいずれの場所も、光を見事に取りこむように設計されているのが、すごいんです。
ここも、眺めが素晴らしいです。
こちらは食堂とキッチン。
そして、最後は、聖堂につながるドアへ。
極めつけは、この聖堂です。
偉大なるシンプルさ!
ジャン修道士いわく、ごてごてと修飾した聖堂は時に頭が痛くなるけれど、ここは、自分が務めた中で、一番、居心地がいいと。
美しい・・・
そして、このシンプルな中に、ほんとうによく考えぬかれた採光システムがあって、そのひとつひとつに、感動してしまいます!
(↑ 天井の窓、しかり・・・)
聖書を光のもとで読めるように、窓が設計されています。
正直、最初に外観を見たときは、コンクリートの塊のようにしか見えませんでしたが、中に入って、説明を聴きながら、自分の身体を通して感じた居心地の良さは、まさに、コルビュジエ建築の真髄だと思いました。
↓ ため息がでるような・・・
最後、ジャン修道士にお礼を言うと、日本からもたくさん建築家や建築科の学生が来て、熱心に見学をされので、ありがたい、とおっしゃっていました。
皆さんも、訪れることがありましたら、ぜひ、ガイドツア
ーに参加されることをお勧めします。2時間ほどかけて案内してくださいます。(入場料のみ 学生は5€)